Helioボード搭載のAltera Cyclone V SoCのスペックの調べ方
はじめに
今回は、Altera Cyclone V SoCの型番からスペックを調べる方法を紹介します。また、型番を知っていると役に立つ例として、Cyclone V SoCに実装されているオンチップメモリーの容量を型番から調べてみます。
flickr: Daily Disney (Explored)
調べ方
所有してるHelioボードのリビジョンを確認します。
確認するとリビジョンが1.4でした。
こちらにあるSchematicを確認すると、2ページ目の「FPGA Package Top View」に「Cyclone V - 5CSXFC5C6U23C7」との記述が見つかります。これが型番です。
Cyclone V Device Overviewに型番の各桁の意味とスペックが記載されています。
はじめの「5C」の次の「SX」がデバイスファミリーを表しています。そこで、「Cyclone V SX」のセクションを探します。すると、「Figure 5: Sample Ordering Code and Available Options for Cyclone V SX Devices」という図が見つかります。
先ほど調べた型番「5CSXFC5C6U23C7」をFigure 5の説明に従って読み解くと以下の表のようになります。例えば、Member Codeを見ると、ロジックエレメントの規模は85Kということが読み取れます。
項目 | スペック | |
---|---|---|
5C | Family Signature | Cyclone V |
SX | Family Variant | SoC with 3-Gbps transceivers |
F | Embedded Hard IPs | Maximum 2 hard PCIe controllers and 1 hard memory controller |
C5 | Member Code | 85K logic elements |
C | Transceiver Count | 6 |
6 | Transceiver Speed Grade | 3.125 Gbps |
U | Package Type | Ultra FineLine BGA (UBGA) |
23 | Package Code | 672 pins |
C | Operating Temperature | Commercial (TJ = 0° C to 85° C) |
7 | FPGA Fabric Speed Grade | 7 (6が最速) |
応用: オンチップメモリーの容量を調べる
Cyclone V SoCには、オンチップメモリーが実装されています。どれだけの容量があるのでしょうか?
ここで型番が役に立ちます。型番を調べた時に見たCyclone V Device Overviewを開いて、「Embedded Memory Blocks」を見ます。すると、「Table 18: Embedded Memory Capacity and Distribution in Cyclone V Devices」にデバイスファミリーごとのメモリー容量が記載されています。
先ほど調べた通り、デバイスファミリーは「Cyclone V SX」でMember Codeは「C5」なので、対応する列をこの表から読み取ります。
そうすると、M10K (大容量の10KBit)とMLAB(小容量の640KBit)の2種類のメモリーが実装されていて、それぞれ、M10Kは、ブロック数が397で容量は計3970KBit、MLABはブロック数が768で容量は計480KBit、すべて合算すると4450KBit(約560KB)ということがわかります。
ちなみに、Helioのリファレンスデザインでは、64KBのオンチップメモリーがインスタンス化されています。(Qsysで確認できます。「onchip_memory2_0」がそれです) オンチップメモリーのトータル容量は、先ほど調べた通り、560KBなので、8分の1をすでに割り当て済みということになります。逆に言うと、8分の7は、自由に利用できる余地があるということです。実際、このオンチップメモリーの残りの容量を使用して、独自にROMを実装できました。(詳細はまた今度紹介できればと思います)
おわりに
Helioボードを買った時に、まずCyclone V SoCの型番を調べたのですが、その調べ方を記録に残していなかったので、今回文章に起こしました。