Kyoto Maker

Software & Hardware Laboratory Found In Kyoto, 2015.

Helioボード搭載のAltera Cyclone V SoCのスペックの調べ方

はじめに

今回は、Altera Cyclone V SoCの型番からスペックを調べる方法を紹介します。また、型番を知っていると役に立つ例として、Cyclone V SoCに実装されているオンチップメモリーの容量を型番から調べてみます。

flickr: Daily Disney (Explored)

調べ方

所有してるHelioボードのリビジョンを確認します。

確認するとリビジョンが1.4でした。

こちらにあるSchematicを確認すると、2ページ目の「FPGA Package Top View」に「Cyclone V - 5CSXFC5C6U23C7」との記述が見つかります。これが型番です。

Cyclone V Device Overviewに型番の各桁の意味とスペックが記載されています。

はじめの「5C」の次の「SX」がデバイスファミリーを表しています。そこで、「Cyclone V SX」のセクションを探します。すると、「Figure 5: Sample Ordering Code and Available Options for Cyclone V SX Devices」という図が見つかります。

先ほど調べた型番「5CSXFC5C6U23C7」をFigure 5の説明に従って読み解くと以下の表のようになります。例えば、Member Codeを見ると、ロジックエレメントの規模は85Kということが読み取れます。

項目 スペック
5C Family Signature Cyclone V
SX Family Variant SoC with 3-Gbps transceivers
F Embedded Hard IPs Maximum 2 hard PCIe controllers and 1 hard memory controller
C5 Member Code 85K logic elements
C Transceiver Count 6
6 Transceiver Speed Grade 3.125 Gbps
U Package Type Ultra FineLine BGA (UBGA)
23 Package Code 672 pins
C Operating Temperature Commercial (TJ = 0° C to 85° C)
7 FPGA Fabric Speed Grade 7 (6が最速)

応用: オンチップメモリーの容量を調べる

Cyclone V SoCには、オンチップメモリーが実装されています。どれだけの容量があるのでしょうか?

ここで型番が役に立ちます。型番を調べた時に見たCyclone V Device Overviewを開いて、「Embedded Memory Blocks」を見ます。すると、「Table 18: Embedded Memory Capacity and Distribution in Cyclone V Devices」にデバイスファミリーごとのメモリー容量が記載されています。

先ほど調べた通り、デバイスファミリーは「Cyclone V SX」でMember Codeは「C5」なので、対応する列をこの表から読み取ります。

そうすると、M10K (大容量の10KBit)とMLAB(小容量の640KBit)の2種類のメモリーが実装されていて、それぞれ、M10Kは、ブロック数が397で容量は計3970KBit、MLABはブロック数が768で容量は計480KBit、すべて合算すると4450KBit(約560KB)ということがわかります。

ちなみに、Helioのリファレンスデザインでは、64KBのオンチップメモリーがインスタンス化されています。(Qsysで確認できます。「onchip_memory2_0」がそれです) オンチップメモリーのトータル容量は、先ほど調べた通り、560KBなので、8分の1をすでに割り当て済みということになります。逆に言うと、8分の7は、自由に利用できる余地があるということです。実際、このオンチップメモリーの残りの容量を使用して、独自にROMを実装できました。(詳細はまた今度紹介できればと思います)

おわりに

Helioボードを買った時に、まずCyclone V SoCの型番を調べたのですが、その調べ方を記録に残していなかったので、今回文章に起こしました。